Direction, Movie Installation
Art Installation
Motion Graphics
Moving Image
和歌山県
和歌山の深い歴史と壮大な自然を背景に、異なる宗教やジャンルが融合する「混ざる・結ぶ」をテーマとした30分のオーディオビジュアル・インスタレーション。
高野山や熊野三山、そして南方熊楠の思想に見られる、和歌山の「寛容の精神」を体感的に表現します。
宗教や身分、国籍、思想の違いを超え、すべてを受け入れ共存してきた和歌山の特性を、熊野詣になぞらえ、未来・過去・現在、そして再び未来へと巡る旅として描きます。この旅は“よみがえり”の体験であり、神仏習合の精神を反映した、和の伝統とデジタル、リアルと仮想、西洋と東洋が交わる空間です。
そこには南方熊楠が唱えた「真理は両者の中間にある」という思想が息づいています。




熊野詣の参拝順路とご利益の象徴
熊野本宮大社 — 未来
熊野速玉大社 — 過去
熊野那智大社 — 現在
熊野本宮大社(再び戻る) — 未来・よみがえり
映像インスタレーションは、この4つのパートで構成されています。
Chapter 01:
未来(FUTURE)
期待感と霊性が交錯する始まりの瞬間。 光の揺らめきや鼓動、色彩の変化を通して、何かが生まれようとする世界を描きます。


Chapter 02:
過去(PAST)
和歌山の起源に迫る旅。 火山活動、自然、曼荼羅絵巻など、歴史的要素を巡りながら、土地の深い記憶を辿ります。


Chapter 03:
現在(PRESENT)
和歌山百景ともいえる多様な風景を巡る章。 現代の和歌山に息づく文化、人々の営み、美しさを映し出します。


Chapter 04:
未来・よみがえり(FUTURE / RESURRECTION)
未来へとつながる「よみがえり」をテーマに、逆再生の映像を用いた幻想的なエンディング。 宗教、ジェンダー、ナショナリティの垣根を超える象徴として、トーテムが現れ、「寛容の精神」を映像で体現します。


Event Film:
高野山密教における五大元素「火・水・風・空・地」の概念を映像表現に落とし込み、 それらが融合し宇宙を構成する流れを可視化。 和歌山が持つ精神世界の奥行きを、視覚的・感覚的に伝えます。










「混ざる、結ぶ。」とは
日本の造化三神のひとつであるタカムスビノカミ、カミムスビノカミにも見られる「ムス」という言葉は、
「生む」「産む」を意味し、新しい命や関係を生み出す力を表します。
「ムスコ」「ムスメ」という言葉にも通じるように、
「ムス」は古来より“生成”や“結び”を意味する、日本語の根幹にある概念です。
神社や聖域に見られる、しめ縄や紙垂は、空間を神聖し、神を招くための“結び”の象徴です。
この「ムス(Musubu)」こそ、最古の文化を今に伝える和歌山の精神を象徴する言葉として、本作品のテーマに選びました。


Creative Direction: Hideki Yoshimoto (Tangent)
Movie Installation: Yusuke Murakami (3AND)
Food Design: Mineko Kato
Music Produce: HAL ca / Lada
Music Composer: HAL ca
Director of Photography: Kaori Takasu (3AND)
Wakayama Map Design: Yusuke Murakami (3AND)
Spacial Design: Masunami Shimoda, Akane Kawahara, Yuki Zetsu (Tangent)
Content Producer: Kagari Hine
Construction: Nomura Co.,Ltd.
Wakayama Movie Footages: Across Co.,Ltd.
Photography: Sohei Terui
Client: Wakayama Prefecture